STALKER

現在、一般的に病的に付きまとう迷惑な人間を「ストーカー」と呼んでいるが、「新英和中辞典(1981年・研究社)」の辞書には「stalk」はあるものの、「stalker」という単語は応用例にも出ていない。

カンヌ映画祭には「シネマ・シュプリーズ」という幕が開くまで上映作を明かさないイベントがあるらしい。1980年に読売新聞の編集委員として会場にいた河原畑寧さんによれば「時間が来て灯りが消えた。STALKER……英語か?黄色いロシアのアルファベットをチラと目にしたところでは、スーパーと同じ七文字。CはロシアのSで……あれ、同じらしいぞストーカーなんてソ連SFあったかな……」というびっくり上映でびっくりしたという。この年ソビエトは公式参加していなかったからだ。

大江健三郎さんは、この映画を取り上げている小説「案内人<ストーカー>(1990)」で、そのタイトルから本文に全て「案内人」に<ストーカー>とルビを振っている。この中で、大江さんは友人の重藤さんから「Сталкер」はロシア語のどの辞書にも載っていないので、「starker」を翻訳した外来語ではないかな?と聞かされる。

先日、私はブルーレイをアマゾンで購入し、普段は滅多に読まない解説書とやらを先に読んだ。相変わらずどうでもいいことが並ぶ中、Cinefil Imagica の山下泰司さんの「はるか遠くから覗き見る『ごっこ』遊び」を読んで余りの感動に「死ぬ前まで(観ないで)とっておこう」と思った。しかし、YouTubeでこの映画の書き込みをちらっと観た時に(英語字幕はスイッチを押すと見られる)、やっぱりいたたまれなくなって、昨日は久しぶりにスクリーンを下ろして、夜中から朝まで見てしまった。

YouTubeの書き込みはこんなものだった。

I am an American, and I love this movie. Much love and respect to Russians. My lineage, as most in my country, was not always “American”, it originated in Norway, and the Netherlands. Regardless of all of the political bullshit going around by our “leaders”, I absolutely love each and every one of you. I only hope that many of you realize that I am far from alone in feeling this way, and I hope that many of you feel the same towards us. Even though we are considered a democracy, we really do not have much control over our own country’s actions, just like you. I will always treat you like a brother, fuck all of that other bullshit.

ぼくはアメリカ人で、この映画が大好きだ。ロシア人に大いなる愛と敬意を捧げる。ぼく多くの家系はノルウェーとオランダに始まり、必ずしも常に「アメリカン」ではなかった。我々の「リーダー」達は政治的なたわごとを広めているが、ぼくは確信をもってあなたたち一人ひとりを愛する人間だ。ぼくらは民主主義国家だということで通っているが実際はあなたたち同様、自分の国の行動を制御する力をほとんど持っていない。ぼくはいつもあなた方を兄弟姉妹のように感じてる奴だ。あらゆるたわごと、でたらめ、くそ食らえ!

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