六本木からお台場へ〜フォトグラファーとの劇的な出逢いから

その写真家が六本木のビルにオフィスを構えていた頃、私は暇を見つけては、下町の暖簾をくぐるように「こんちわ!」と遊びにいった。知り合いになったきっかけは、その頃勤めていた上司の紹介で、今から十年以上前のミレニアムの頃だと思う。

私は16歳の頃から小型映画を撮り始めたのだが、そんな先輩はおらず独学で撮影を学ぶしかなかった。映画用のカメラには様々な制約があり、本や店頭などで得られる知識にも限界があった。

その頃「真島香(まじまこう)」さんに出会っていたら、私の作風は大いに変わっていたと思う。

 

DSC_0006-2014-06-25-21-28_2.jpg

 

“お台場のカメラマン”で検索、又は上記の写真をクリックして頂くとホームページ「お台場写真教室」に飛びます。

私は真島作品を見て「なんじゃこらぁ!」と驚嘆し、小僧のように張りつくようになった理由は、写真の抜けの良さだった。「なぜにこんなに色彩が明瞭で、輝かしいのだろう?」とショックを受け、これまで写真から感じたことのない「メジャー」な視点に圧倒されたのだ、もちろん、それは真島バリエーションのごく一部ではあるが。その秘密を是非知りたかったのだ。

日経の発行する雑誌の表紙撮影の現場に居合わせた時のこと。カメラを前にカチカチに固まった日本のトップ経営者を、瞬時にリラックスした笑顔に変えるテクニックは天性のものと思った。大先輩に失礼だが、普段から場を和ませる真島香が醸す空気感は、かなりオトコマエだった(若い頃は絶対にもてまくっていたと思う)。撮影に付き合わせて頂いた後は、ビールに誘って頂き、夜の六本木を一緒に楽しんだ。

10-2014-06-25-21-28_2.jpg

真島香さんの6割以上の写真は「コダクローム」というフイルムで撮影されているが、映画用カメラに対してもコダック社は同フイルムを提供していた。ただしカメラには互換性がなく、フジフイルム系かコダック系のどちらかを選ばなくてはならなかった。もし十代の私がコダック系のカメラを選択していれば、恐らく全ての映画のテイストまで変わったのではないかと思われる。

私はティーンエイジャーの1980年台当時は「スターウォーズ」に代表されるビジュアルで圧倒する作品と、東西ヨーロッパ、特にロシアの映画に影響を受けていた。「フジクローム」を選択したのは日本人の、こころのひだを捕らえるのに良いとされていたからだ。

フジのカラーフイルムは一般的に寒色だといわれるが、完成度が増すまではモノクロのように寒かった。一方「コダクローム」はペンキを使ったように原色の発光が優れており「風と共に去りぬ」のような、赤みの強い暖色の発光に傾く傾向があった。

これは「コダクローム」だけが外式発光法と呼ばれる現像方法を採用しているのに比べ、フジのフイルムが全て内式発光法を採っていたことに由来する。(この辺りの記述は主観的なもので、別の機会にきちんと書きたいと思う)

 

私は40歳を越えてから、真島さんの影響で猛烈な勢いでアナログ・フイルムの「コダクローム」で映画撮影を始めた。もちろんデジタルへの移行を考え、優れたDVCHDコーデックを採用したパナソニックの24Pカメラを購入したが、満足できず「コダクローム」で撮影を続けていた。だがコダック社は、2010年11月30日に全世界でコダクローム現像の全てを終了した。

ワタシ的にはありがたいことに間を置かずして「BlackMagic Pocket Cinema Camera」が登場し、納得できるデジタルシネマカメラで救われたものの、一ヶ月寝込んでしまうほどのショックだった。その反動は激しく、お別れに「さよならコダクローム記念Tシャツ」の販売まで始めてしまった!

(撮影は真島香さんのご厚意に拠る)

真島さんとコダクロームにもう少し早く出会っていれば、私の映画も「メジャー志向」になっていただろう。この「幸せなな感じ」を唄った歌まである。この曲は7歳年上の兄貴がEPを買って帰り、私が洋楽にハマるきっかけとなった。これも何かの因縁かも知れない。


真島香さん自身、ヒトを幸せにするキャラクターを持ち、また少なくとも表に出ている写真を見ると、ポジティブな高揚感に満たされてくる。私は暫く真島さんのことを「日本一のコダック使い」と呼んでいた。その後、六本木の喧噪を離れ、海の見えるお台場に根を下ろし最近若者向けの講習を始められたそうだ。デジタルに移行され、その「抜けのよさ」は益々加速していったように感じる。

DSC_0002-2014-06-25-21-28_2.jpg

真島香さんの展覧回が行われています。場所は「晴海埠頭・客船ターミナル・ロビー2F」

タイトルは「大都会の海 晴海埠頭写真展」です。

詳細は「晴海埠頭客船ターミナル」までお問い合わせ下さい。

2 件のコメント

  • フィルムに対する情熱を感じました。真島香さんのお写真は素晴らしいですね。コダクロームの歌もナイスです!色んな想いの込められたTシャツが実に素敵です。完成おめでとうございます。今後のご活躍も期待しております。

  • おっと、英語の先生ですか! 真島さんの写真展は無料ですので、お気軽にどうぞ!

  • コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。

    CAPTCHA