映画もドラマもアップルにおまかせ!

1980年代バブル期に「メセナ」という言葉が流行ったことがある。概ね、税金逃れに使われたのだろうが「企業が主に芸術活動を支援する」という姿勢は素晴らしいことだと思う。
その中でも巨大なメセナ爆弾を世界的に落としたのはアップル・コンピュータだろう。映画「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」は、なんと監督にマーティン・スコセッシを起用した、ディランの3時間半に及ぶドキュメント作品だ。私の記憶に間違いがなければ、この作品は全て「アップル・コンピューター」の提供だったと思う。
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ディランに踏み込んだ傑作といえると同時に、儲からないことを前提に作られたところが粋である。
そしてもう全編スコセッシ色に染まって、マニアにはたまらない。
映画「ボブ・ディラン ノー・ディレクション・ホーム」の資料が少なく、ネット上で消えてしまうかもしれないので、ネットでかき集めた引用分を乗せておく(自分用に・・・)。

2011年5月24日に生誕70年を迎える20世紀のポップ・カルチャー最重要人物ボブ・ディラン。今まで決してカメラの前でインタビューを受けなかったディランの貴重な証言・未公開のライブ映像を集約した3時間半に及ぶドキュメント。監督は「タクシードライバー」「グッドフェローズ」「ラスト・ワルツ」「ディパーテッド」の巨匠・マーティン・スコセッシ。
タイトルの「ノー・ディレクション・ホーム」とは、アコースティック・ギターから再びエレキ・ギターに持ち替えたディランの、その決定的な変貌の象徴でもある歌、「ライク・ア・ローリング・ストーン」の歌詞の一節。同曲で、この映画は始まり、終わる。その中で、ロックンロールからフォーク、そしてロックへと、時代の変化と共に「かえりみちのない」道を歩み続けるディランの若き日々が切り取られ、語られることになる。もちろんそれは、アメリカの若き日々、とも言い換えられる。キューバ危機、ベトナム戦争、ケネディ暗殺、平和行進、「私には夢がある」と語ったキング牧師の演説…。人々の夢と野心と欲望と絶望と悲しみとをエネルギーにして変貌するアメリカ社会が、この映画のもうひとりの主人公でもある。目を見張るのは、数々のレア音源、資料映像とインタビューに登場する豪華な顔ぶれ。友人が録音したハイスクール時代の歌や、路上で演奏する若きディランの初々しい映像をはじめ、63年のニューポート・フォークフェスティヴァルでのピート・シーガーやオデッタとの共演による「風に吹かれて」、それから、「ユダ!」と叫ばれて逆に「おまえは嘘つきだ」と応酬する伝説の英国ツアーの「ライク・ア・ローリング・ストーン」…何百時間にも及ぶ貴重な資料映像の一部と10時間を超すディランへのインタビューから、この映画は構成される。それはボブ・ディランの肖像であるとともにアメリカ合衆国の肖像でもあるだろう。監督はマーティン・スコセッシ。ディランと同世代であるスコセッシにとってこの映画の素材整理と構成は、自らの生きてきた道のりの再構成でもあったはずだ。もちろんスコセッシもまた、「かえりみちのない」場所に立つ。この映画の最後、「ライク・ア・ローリング・ストーン」の演奏が始まるとき、メンバーに向かって、ディランが「Play it fucking loud(でっかく行こう!)」と叫ぶ。この言葉はボブ・ディランの決意表明である。スコセッシがこのシーンを映画のクライマックスに使ったのもまた、彼の決意表明だといえるだろう。そして今、更に次の一歩を踏み出すための「大いなる回帰」として、この映画は「かえりみちのない」道の未来への道標となるはずだ。
さてさて、今はまさに外国ドラマ時代である。もう、メセナも死語になった。社名も「アップル」になった。それでも多少なりともアメリカの歴史に片足を踏んでおきたいのか、アップルは「マリリンモンローの人生をミュージカルにする」というストーリーのドラマを援助している。

タイトルを SMASH」 という。

日本ではDlifeというBSチャンネルで一度目の放送が終わったばかりだが、必ず再放送をするチャンネルなので、見逃した方も気にしないでいい。ここでのアップルの位置は、エンド・テロップにしては少し長くなっている。

Promotional Considerration Furnished by APPLE

日本語に訳せば「販売促進用に考えられた備え付け」、即ち「小道具」なのだが実際にはドラマ全体が、アップル製品の宣伝みたいになっている。明るく楽しく、大好きなドラマなのだがアップルの製品がちらつくだけでしらけるのは、私がひねくれ者のせい?



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