フイルムの覚醒

先日、公開初日に「スターウォーズ・フォースの覚醒」を見に行った。ぱっと見て「いい感じに汚れているなぁ」と感心した。とりあえず映画は合格点。しばらく友人と感想を言い合ってたら「あれ、フイルムで撮ったんだって」と次の記事を教えてくれた。

デジタルでなくフィルムで撮影される『スター・ウォーズ』、その理由とは

一見古めかしいフィルムというメディアで撮影する理由は、意外なことに、古びないという利点があるからだ。デジタルで撮影した映画は、その後も、「その時に使われていた技術」の最高分解能にしかならない。

ここに書かれている一説は、結構意味深だ。実際そういう作風で遊んでいる僕としては、もう一歩踏み込んでフイルムとデジタルの関係を楽しんでいる。

フイルムは①総天然色で②ランダムに粒子が散らばり③ラチュードの幅も広い。これをコンピューターで処理する際に引き延ばしたり縮めたりずらしたり出来るわけだ。

①「総天然色」の特色はデジタルでは不可能な記録方式だ。デジタルの「フルカラー」は今、数億色に達しているというが、フイルムは「∞(無限大)」なのだ。その素材を光学3色分解して、それぞれをモノクロミーとして扱い、RGBそれぞれにその3本のソースに、好きな染色を施し、一本にまとめると全く異質なものが出来上がる。

また印刷のCMYK4分解を利用すると、4つのデーターを束ねた時に、非常に奧深い映像が現れたりする。

それとは逆に合成の際、8ビットカラー(256色)とかにすると、古いとか新しいとかのレベルを超えて面白いアートになったりする。また、最近モノクロ・フイルムの記録を思い切って、パソコン上で最大解像度で最大色に転換した時に「色」が発生したのだ。これは人為的ミス?かソフトウエアのバグか知らないが、やってみると表現の一形式として懐に入れることが出来る。

②「ランダムな粒子」は、既にデジタル・リマスターの分野の為にそれを取り除く技術は完成しているが、敢えてそれを逆利用して粒子だけで映像を重ねることも出来る。それを①でやったように、パーフェクトなデータに重ねると「ポップな墨絵」みたいになる。組み合わせは自由だが、こういう閃きは「あ、回想シーンにいいな」とか、やっておいて損はない。

③「ラチュードの幅」に関しては、異論もあるだろうが天然の「RAW/LOG」記録と考えてもらえばいい。黒を掘り下げていくと「ダーク・マター(暗黒物質)」に当たったりして・・・冗談だけど。

こういう遊びは、分業化の進んでいるハリウッドでは絶対に生まれない。個人や小さな集団の映画作りの「ごっこ」から生まれるのだ。フイルムを過去の遺物と思っている人もだと思っている人も、なんかおもしろそうと思う若い人も、とりあえず遊んでみれば?

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